2018年10月20日 shotom 0Comment

三番目の怖れは、未知なるものへの恐怖です。

人は未知のものに自然と怖れを抱きます。それは生物の防御反応としても重要な感覚の一つです。

未知なるものへの恐怖が全くなければ、生命を失う可能性が高まります。一度も入った事のない真っ暗な洞窟に入っていくときに、中になにか恐ろしい動物がいるかもしれない、暗い穴に嵌まるかもしれない、と想像する事で危険な方に自ら進んで行かないようにするのが哺乳類としての本能であると言えます。

人間でもまだ赤ちゃんの場合は、未知のものに対する怖れが少ないので危険な行為も平気でします。しかし、火に対して手を近づけて熱さや痛みを感じたら、それを一度体験した後は火に不用意に近づかないようになります。失敗して痛い思いをすると、2回目からはその行動をしなくなります。

やがて大人になったときに、それまでの体験から「どうも未知なものに挑戦すると失敗する事が多い」と脳にインプットされていると、なにか新しい事を始めようとするたびに怖れが頭を巡るようになります。

本来は、「今」という瞬間以外は未知なのですが、過去を今と結びつけてしまう事に慣れてしまうと、未来も未知、自分が体験していないように思えることは未知のもの、ということになります。未知のものに取り組むことを楽しみとして体験していればこの恐怖は起きませんが、子どもの頃に新しいものに挑戦して失敗し、それを周りにとやかく言われたりすると、脳にとっては新しいことをすること自体がよくないイメージができてしまい、挑戦そのものをしなくなってしまいます。

未知のものへの怖れが出てきたら、その怖れの感情もエネルギーである事を理解するのが最初に行える最善のことです。そして、そのエネルギーをうまく変換する事ができれば、新しい事を新しくない事に作り替える事ができるようになります。つまり体験を通じて新しいものがそうでないものに変換され、未知が未知でなくなるのです。

そのプロセスはゆっくりと進めた方が結果がよくなる傾向があります。恐怖を感じずにいけるところまでいくという事です。もし恐怖が出てきたらそれは自分の防御反応としてよい事が起きているという認識をします。体ががたがた震えてもそれは体温を上げるために体が起こしている事なので、そのように任せます。そして、それから後に怖れを感じた分のエネルギーを脳に送り込みます。なるべく固まりのようにして送るのが変容を一気に起こすコツになります。

脳にうまくエネルギーを送る事ができると、体が温まるような感覚が出てききたり、やる気が出てきたりします。未知の事柄に対する感情もそのときには変化しているでしょう。後は自分にとって最もよい方向性を意識的に選んで進んでいくだけです。

私たちの魂は、本質的には全てを知っており、今はほとんどを忘れているという状態なので、未知のものとは本来は存在せず、あるいは「今」以外の事、私たちはこの瞬間に認知している事以外の事柄は全て未知であるという事ができます。

どちらの考えに従ったとしても、私たちは未知の外側にいて、それを眺めているか、身に纏っているか、そのことさえも曖昧な中で毎日の生活を送っているのです。

本来は未知であるということ自体は祝福ですが、同時に未知であるということが怖れを引き出すきっかけとなってしまっている事があります。怖れを手放す事は難しいのですが、怖れのエネルギーを自分に使う事は可能です。

そうすると怖れは自分にとって次のステップに進むための鍵となります。子どもの頃からの怖れが全て自分の変容のエネルギーに変わったとき、私たちの意識には未知なるものに対する全く違う感覚が芽生えるでしょう。

怖れとは、人間にとって必要な感覚であり、本能的にわき上がるエネルギーでもあります。このことを理解して怖れを自分自身に完全に一体化させる事ができると、怖れをベースに行動したり、発言したり、考えを巡らせたりするような事はなくなります。

怖れを受け入れる必要はありませんし、怖れと向き合う必要もありません。かといって、怖れるままに人生を過ごすのかといえばそういうことでもありません。私たちは怖れを今までと全く違う観点で見る必要があります。

私たちの脳や意識は、この世界をがらりと変える力を持っていて、怖れとはそのエンジンを回すための原動力にもなり得るのです。しかもそれが怖れをベースに行動する事でもないとしたら、みなさんはどう思うでしょうか。

怖れは変容のための生命的なエネルギーです。私たちはその潜在的な力を活用することのできる意識を持った時代に生きているのです。